NTT東日本のグループ会社として、地域の企業や自治体のDX(デジタルトランスフォーメーション)をワンストップで支援する株式会社NTT DXパートナー。今回は、金融機関向けDX支援ポータルサイトのデモサイト制作で、Wixのホームページ制作サービスをご利用いただきました。Wixの導入を決めた理由や、実際にWixを利用した感想について、地域企業支援事業部の徳嶺あかり様と佐川琢郎様、小林絢音様に伺いました。
デモサイト制作の狙いは金融機関向けDXポータルサイトの制作
ー御社の会社概要について教えてください。
徳嶺様:弊社はNTT東日本の子会社として2022年に設立されました。地域でDXを進める人材がいなかったり、中小企業がDXを進めたりしたい場合にDXを支援する会社となっています。
メインはDX事業で、そこから派生してコンサルティング事業や研修事業を展開しています。ただ、エンジニアを中心としたDX実装チームも備えているので、システム制作やプラットフォーム活用といった実装支援も展開しています。
ー社内はどのような分業制になっているのでしょうか?
徳嶺様:自治体向けに事業を展開するまちづくり事業部や2024年4月に立ち上げた地域企業支援事業部などがあります。私たちが所属する地域企業支援事業部は「中小企業のDXを進めるのは金融機関である」という考えのもと、地域金融機関が中小企業のDXを伴走支援できる各種サービスを提供しています。
ー今回のご依頼は、御社が2024年8月に公開したDX支援プラットフォーム「DXSTAR for Bank」のコンセプトサイトのように、Wixを活用したデモサイトの制作でした。なぜデモサイトの制作をご依頼されたのでしょうか?
徳嶺様:中小企業に実際に届けられる支援サービスをまとめた金融機関向けDX支援ポータルサイトを立ち上げるうえで、デモサイトが必要だと考えたためです。やはりプロジェクトを進めるうえでは、デモ的に使ってもらえるサイトが重要ですね。
ー確かに金融機関のイメージとDXを結びつけるのはなかなか難しいですよね。
徳嶺様:そうなんですよ。弊社もコンサルティングサービスや研修サービスといったサービスメニューが20ほどあるものの、メニューとして表現されていない、コンテンツ化されていないものもあります。それらを説明するコンテンツがなかったので、デモサイトの制作を通じて、どのように発信できるか、整理整頓ができたかなと思います。
ポータルサイト制作の構想に合致したWixの拡張性
ー複数のCMSがあるなかで、Wixに行き着いた経緯についても教えていただけますでしょうか?
徳嶺様:最初の頃から、ノーコードツールでデモサイトを作りたいと考えていました。弊社はウェブサイト制作のノーコードツール「STUDIO(スタジオ)」で制作していたので、第一候補は正直、STUDIOだったと思います。
その後、Wixはノーコードツールを幅広く調べているなかで見つけました。Wixは、*メルマガ機能や会員機能コンテンツなどをWixアプリから実装することができ、特別な追加実装が不要です。それらのWixの高い拡張性は、ポータルサイト制作の構想に合っていると考えました。
*Wixには、メルマガ機能や会員限定ページ機能が標準で搭載されています。これらの機能をワンクリックで有効化することで、ノーコードで実装することが可能です。
ー他のCMSと比較した時にWixの機能で驚いた機能はありましたでしょうか?
徳嶺様:メルマガは簡単に作れるなと個人的に思いますね。デモサイトに実装したメルマガ機能は金融機関から中小企業に定期的にお知らせが届く仕組みになっていますが、その機能を実際の画面でお見せできるのは大きかったですね。
ーデモサイトを作るに当たって、こだわりや課題はありましたでしょうか?
徳嶺様:ポータルサイトと言っても、機能をあれこれ実装してもキリがありません。そのため、コンテンツをサイト上で展開するうえでは、深掘りをせず、浅く広くを意識しました。
ラジャのサービスを選んだ決め手は費用感や情報発信の高さ
ー今回のデモサイトの制作期間は約2カ月でした。弊社としても、最短に近い形でできたかなと思います。弊社を選んでいただいた点でも、スピード感があったと思うのですが、選んでいただいたきっかけは何かあったのでしょうか?
徳嶺様:費用感が合っていたのに加え、オウンドメディアやYouTubeといったメディアを展開されており、情報発信の視座も高いのではないかと期待していたためです。実際にサイト制作を進めていただく過程で、デモサイトの名称やCTAの配置、ワイヤーフレームやデザイン構成などのご提案をいただきました。
ー納品前から既に他のサイトでデモサイトを自社で制作しており、すごく驚きました。カラーリングの変更をはじめ、実際にWixで制作したデモサイトを使い始めるなかで、難しいと感じる点はありましたか?
佐川様:そんなに難しい感じはしないですね。基本的なスキルセットがあれば、誰でもできるなと感じました。一方で、機能を拡張して複雑なサイトを構築することもできますが、必要な機能だけがシンプルにある方が実際の運用では重要になるため、その見極めに時間が必要かと思いました。
徳嶺様:それこそ、今プロジェクトに入っている小林は、新入社員です。それでも、彼女はサイトのカスタマイズを含めて、ほぼすべての管理更新をやってくれました。
ー小林様は、Wixで制作したデモサイトを実際に管理更新をしてみていかがでしたでしょうか?
小林様:新入社員なので、一切知識がない状態で初めてWixを触りました。それでも、実際の作業が非常にやりやすかったと感じましたね。
Wixは企業の方でも十分に活用可能
ーありがとうございます。実際にWixを使っていただいて、Wixがどのような会社に特に最適だと感じましたか?
佐川様:WixはLP(ランディングページ)や基本的なウェブサイトの制作にも合っているという感触があったので、個人の方だけでなく、企業の方でも十分に使っていけると思います。また、拡張機能が豊富なので、会員機能やメルマガ機能等を活用するウェブサイトには最適だと感じます。
ーWixは海外発のサービスですが、カスタマーサポートの面はいかがでしたか?
佐川:セキュリティチェックの時にWixのお問い合わせ窓口に直接電話しましたが、日本語を話すスタッフの方から、丁寧な回答をもらうことができました。すぐに対応していただけたので、すごく印象が良かったなと感じましたね。
またWixは基本的な情報がウェブサイトに集約されていたため、その辺りがあまり苦労せずにできたかなと思います。
なお、ラジャの担当者の方との打ち合わせの日程調整も、オウンドメディアに表示された日程調整自動化ツール「TimeRex」でできていました。その点も非常に良かったですね。
ノーコードによってエンジニアと非エンジニアの境目が曖昧に
ーWordPressやコーディングといった既存のツールやサイト制作方法は、多額な費用がかかるうえに、更新が困難でした。そうした時代から今後はノーコードがWebの領域に普及してくると思います。その点で、ご意見はありますか?
徳嶺様:私としては、ノーコードによってエンジニアと非エンジニアとの境目が曖昧になるかなと思います。具体的には、ITに疎い中小企業でも担当者が独力でサイトを作れたり、ITリテラリーが低い方でも実際に動くサイトを作れたりするようになると予想します。
佐川様:私はエンジニアなので、エンジニア目線でいうとポジショニングをどこまで特化できるかが重要なのかなと思います。今のように、エンジニアと非エンジニアの境目にいると、(エンジニア側に)吸収されてしまうので、境目にいない領域でやっていくのが重要だと思いますね。
その点で、ノーコードを使うのは誰でもやった方が良いと思います。自発的にチャレンジして、サイトを改良した方が良いと思いますね。
ー特に佐川さんはエンジニアでキャリアを積まれて、入社後にノーコードツールに初めて触れる感じですよね。初めはノーコードツールにどのような印象を持たれたのでしょうか?
佐川様:データベースの設計も不要で、とても画期的だと思いました。デザイン設計が容易な点は、楽しさも感じましたね。
ー最後にWixをはじめとするノーコードツールがIT人材不足や外注先とのコミュニケーション課題といった中小企業の課題を解決してくれると思いますか?
徳嶺様:ノーコードツールを活用し、中小企業の抱える課題の解消を図るうえでは、長期的な視点が重要だと思います。具体的には、ノーコードツールを使って単にサイトを立ち上げるのではなく、「サイトを使ってどうしたいか」といった問いを立てながら先を見据えて行動するマインドセットが大事になってくるのではないでしょうか。その点、Wixは長期的な視野で考えた際に非常に効果的なツールであると感じました。
佐川様:私も同じ意見です。長期的な視点に加え、ノーコードを使えるマインドを全社員が持つこと自体も大事なのかとも思います。